毛番手とは
結論:毛番手は糸の細さの単位。羊毛1kgから1,000mの糸が取れる細さを1番手とし、数字が大きいほど細い。「2/60」は60番手の双糸(2本撚り)の意味で、高級スーツ地の定番仕様。
定義と式
毛番手 = 糸の長さ(km)÷ 糸の重さ(kg)
例:1kgで60km取れる糸=60番手。同じ重さでより長く紡げる=より細い。
例:1kgで60km取れる糸=60番手。同じ重さでより長く紡げる=より細い。
これは「恒重式」と呼ばれる数え方で、綿番手・麻番手と同族です(基準長だけが異なる)。スーツ地のタグや生地耳にある「2/60」「1/72」という表記は、撚り本数/番手。2/60なら60番手を2本撚った双糸、1/72なら72番手の単糸です。
数値例——双糸と単糸で何が変わるか
| 表記 | 意味 | 生地の性格 |
|---|---|---|
| 2/60 × 2/60 | タテ・ヨコとも60番手双糸 | コシと復元力。出張・毎日用の王道 |
| 2/80 × 2/80 | より細い双糸 | 光沢としなやかさが増す。中級〜高級地 |
| 1/72 単糸 | 細番手の単糸 | 軽く柔らかいが、強度と復元力は双糸に劣る |
同じSuper表記の生地でも、双糸か単糸かで寿命の印象は別物になります。低価格帯で「Super 120'sなのに安い」場合、単糸使いや打ち込み(織り密度)の甘さで帳尻を合わせていることがある——タグの番手表記まで見るのは、そのためです。
Super表記との関係
Super表記は原毛(繊維)の細さ、毛番手は紡いだ糸の細さ。細い原毛ほど細い糸を紡げるので両者は相関しますが、同一ではありません。原毛→糸→織りの3段のうち、どこで品質を作りどこで妥協したかが生地の個性です。原毛側の規格はSuper表記とはで解説しています。
よくある質問
- 番手はどこで確認できる?
- 生地見本帳(バンチブック)の仕様欄に記載があることが多く、なければ店頭で「番手と単糸・双糸の別」を聞けば足ります。答えられる店は生地の目利きも確かです。
- 番手が細いほど高級?
- 価格は上がる傾向ですが、細い=繊細=消耗が早い、でもあります。週3回以上着る一着なら2/60〜2/70双糸あたりの「強い糸」が結局は上質な選択です。