ブラックタイとは
結論:ブラックタイは「黒いネクタイで来い」ではなく、夜の準礼装=タキシード一式の着用指定。黒タイ+ビジネススーツは弔事の装いに見える最悪の誤読で、持っていなければレンタルが正解。
構成要素
タキシード(英ではディナージャケット、仏ではスモーキング)は、次の要素の総体です。どれか一つを外すと「黒いスーツ」に退行します。
- ジャケット:黒またはミッドナイトブルー。襟に拝絹(はいけん=シルクの光沢面)。ショールカラーかピークドラペル
- スラックス:脇に側章(そくしょう=シルクの一本線)。ベルトではなくサスペンダー
- シャツ:白のイカ胸またはプリーツ胸、ダブルカフス
- 蝶タイ:黒シルク。結び下げのネクタイは用いない
- 腰まわり:カマーバンドまたはベスト(腰を覆うのが作法)
- 靴:黒のオペラパンプスまたはよく磨いた黒の内羽根ストレートチップ
格の位置づけ
| 指定 | 格 | 装い(夜) |
|---|---|---|
| White Tie | 正礼装 | 燕尾服。国家的式典・晩餐会クラス |
| Black Tie | 準礼装 | タキシード。ガラ・授賞式・格式ある披露宴 |
| Black Tie Optional | 準礼装〜略礼装 | タキシード推奨、ダークスーツ可 |
| 平服(Informal) | 略礼装 | ダークスーツ(別記事) |
日本での現実的な着地点
日本ではブラックタイ指定自体が稀で、遭遇するのはホテルのガラディナー、外資系の年次パーティー、音楽会の特別公演など年に数回の場面です。したがって購入(オーダーで10万円前後〜)よりまずレンタル(相場1〜3万円程度)が合理的。年2回以上着る見込みが立ってから仕立てる、が数字上の順序です(1回あたりコストで検算)。オーダーする場合、拝絹と側章は後付けできないため、兼用スーツでの妥協はききません。
よくある質問
- 「Black Tie optional」なら何を着る?
- 持っていればタキシード、なければ濃紺無地のダークスーツ+白シャツ+黒蝶タイ(または黒無地タイ)。optionalは「妥協可」であって「カジュアル可」ではありません。
- 時計はしてよい?
- 古典作法では夜会に時計は無粋とされますが、現代は薄型のドレスウォッチなら許容が一般的です。スポーツウォッチは外します。